最終更新日:2026年2月18日
本記事は、太陽光発電の相続事例・法人売却事例・中古市場の査定基準をもとに、売却・現金化を検討する際の判断材料を整理した解説コンテンツです。
制度・税制・市場価格・買取条件は常に変動します。実際の売却価格や税額は個別条件によって大きく異なります。
税務・法務・相続登記などの最終判断は、必ず税理士・弁護士・司法書士などの専門家へご相談ください。
FIT契約から11年目に入ると、
「売電収益が思ったより伸びない」
「積立が始まって手取りが減った」
と感じる投資家が急増します。
実はこのタイミングは、
太陽光発電所の“価値が分岐する重要局面”です。
結論:11年目前後は「売却判断の最重要タイミング」
✔ 廃棄費用積立が開始
✔ PCS交換リスクが上昇
✔ FIT残存年数が減少
✔ 将来キャッシュフローが縮小傾向
本記事では、
- 11年目に何が起きるのか
- 収益はどれくらい下がるのか
- 売るならいつが最適なのか
- 持ち続けるリスクは何か
これらを数値シミュレーション付きで解説します!
- 太陽光発電「11年目」で起きる4つの変化
- 11年目は“売却判断の分岐点”
- 【徹底比較】10年目 vs 11年目 vs 15年目 売却タイミングの差
- 売却を遅らせるといくら損する?具体例シミュレーション
- 実際に起きる「売却判断ミス」パターン
- 中古太陽光市場の動向(2026年時点)
- よくある質問(FAQ)
- Q1. 太陽光発電は本当に11年目に売るべきですか?
- Q2. 廃棄費用積立って、どれくらい収益が下がるの?
- Q3. 売却タイミングの目安は「10年目」「11〜13年目」「15年目以降」どれが有利?
- Q4. まだ黒字なんだけど、持ち続けるのはダメ?
- Q5. パワコン(PCS)交換前に売る方が得?
- Q6. 太陽光発電所の査定額って何で決まるの?
- Q7. 査定額が会社ごとに大きく違うのはなぜ?
- Q8. 一括査定ってしつこく電話が来たりしない?
- Q9. 査定だけして、売らなくても大丈夫?
- Q10. 低圧(50kW未満)と高圧で売却難易度は違う?
- Q11. 土地付き(所有)と土地賃貸(借地)だと査定は変わる?
- Q12. 相続した太陽光発電所でも売却できる?
- Q13. 法人名義でも売却できる?年度末に間に合わせたい
- Q14. 売却益に税金はかかる?
- Q15. 減価償却が残っていると売却に不利?
- Q16. O&M(運用保守)の契約があると査定は上がる?
- Q17. 遠隔監視データがないと不利?
- Q18. 発電量が落ちている気がする。売却前にやるべきことは?
- Q19. 査定を有利にするために、最低限揃える資料は?
- Q20. 一括査定のメリットって結局なに?
- 【結論】11年目は“価値が分岐する”ので、比較してから決めるのが最適解
太陽光発電「11年目」で起きる4つの変化
① 廃棄費用積立の開始
FIT制度では、将来の設備廃棄に備えて、
売電収益の一部を積立する制度があります。
これにより、実質的な手取り収益が減少します。
年間売電収益:360万円
廃棄費積立:約4%(目安)
→ 年間 約14万円減少
→ 10年間で 約140万円の減益
「少額」と感じるかもしれませんが、
査定評価ではこの減益分が将来CFから差し引かれるため、
売却価格にも影響します。
② FIT残存年数の減少
太陽光発電の価値は、
残りのFIT年数 × 年間収益でほぼ決まります。
残り10年と残り5年では、
当然ながら未来収益が倍違います。
✔ 将来キャッシュフロー減少
✔ 買い手の利回り要求が上昇
✔ 査定額は下がりやすい
③ パワコン(PCS)交換リスク上昇
パワーコンディショナの寿命は一般的に10〜15年。
11年目以降は「いつ壊れてもおかしくない」ゾーンに入ります。
工事込み 約100万円前後
査定会社はこのリスクを織り込むため、
交換前はマイナス評価になるケースがあります。
④ O&M費用・劣化リスクの増加
10年を超えると、
- 草刈り頻度増加
- ケーブル劣化
- 架台サビ
- 発電効率低下
といった維持コストが上昇傾向になります。
つまり11年目は、
「収益減少 × リスク増加」が同時に始まる年なのです。
11年目は“売却判断の分岐点”
ここが重要:
✔ 10年目までは「安定収益期」
✔ 11年目以降は「リスク上昇期」
✔ 15年目以降は「査定減衰期」
多くの投資家は、
「まだ収益出てるから大丈夫」と思い込みます。
しかし市場では、
FIT後半に入ると価格が徐々に下がる傾向があります。
太陽光売却は個別条件(売電単価・立地・発電量・保守状況)によって
評価が大きく変わります。
本記事は一般論であり、最終判断は必ず個別査定で確認してください。
【徹底比較】10年目 vs 11年目 vs 15年目 売却タイミングの差
太陽光発電所は「いつ売るか」で、
最終手取りが大きく変わります。
| 比較項目 | 10年目売却 | 11〜13年目売却 | 15年目以降売却 |
|---|---|---|---|
| FIT残存年数 | 約10年 | 約7〜9年 | 約5年以下 |
| 廃棄費積立 | なし | 開始 | 継続中 |
| PCS交換リスク | 低 | 上昇期 | 高 |
| 査定評価傾向 | 高値維持しやすい | 分岐点 | 下落傾向 |
特に11年目は「評価が下がり始める直前」であり、
売却判断の境界線になります。
売却を遅らせるといくら損する?具体例シミュレーション
以下は一般的な50kW低圧発電所のモデルケースです。
・売電単価:36円
・年間売電収益:360万円
・利回り要求:7%
・FIT残存10年(10年目時点)
▶ 10年目で売却した場合
将来10年 × 360万円 = 3,600万円
利回り調整後 想定査定:約2,000万円前後
▶ 15年目で売却した場合
残存5年 × 360万円 = 1,800万円
廃棄費積立影響・PCSリスク反映
想定査定:約1,200〜1,400万円
※条件により変動あり
もちろん個別条件で変わりますが、
残存年数が5年違うだけで数百万円差は珍しくありません。
実際に起きる「売却判断ミス」パターン
ケース①:まだ収益出てるからと放置
収益が出ている=安心、と考え5年保有延長。
しかしその間に
- 廃棄費積立で減益
- PCS交換発生
- 査定下落
結果、最終手取りが大幅減。
ケース②:単独査定で即決
11年目で1社査定のみ。
提示1,500万円で即決。
しかし他社査定では1,780万円だった事例も。
=価格差が見えない
中古太陽光市場の動向(2026年時点)
現在の市場では、
- FIT後半案件の流通増加
- 利回り要求の上昇傾向
- 設備状態重視の傾向強化
つまり、時間が経つほど査定は厳格化しています。
11年目前後は、
まだ「将来CFが十分残る」と評価されやすいタイミングです。
売却判断の本質
✔ 将来CFが最大のうちに売る
✔ PCS交換前が有利
✔ 廃棄費積立が重くなる前に検討
✔ 比較なしは危険
情報の取り扱いについて(重要)
太陽光発電所の売却は、契約条件・設備状態・売電単価・発電量・保守状況・地域の系統条件などで評価が大きく変わります。
本記事は一般的な判断材料を整理したもので、最終判断は必ず個別査定・契約書類の確認・必要に応じて税理士等の専門家へご相談ください。
なお、制度・公的ルールは変更される場合があります。最新条件は公式情報・契約先(電力会社/O&M先/保険会社)も必ずご確認ください。
✔ 査定は無料(売却の強制なし)
✔ 比較データが交渉材料になる
✔ 同じ発電所でも査定差が出やすい(会社ごとの評価軸が違う)
よくある質問(FAQ)
Q1. 太陽光発電は本当に11年目に売るべきですか?
A. 一律に「必ず売るべき」とは言えませんが、11年目以降は廃棄費積立・PCS交換リスク・FIT残存年数の減少が同時に進み、
査定評価が分岐しやすいタイミングです。迷う場合は、まず複数社で査定額を比較して最適な判断材料を揃えるのが安全です。
Q2. 廃棄費用積立って、どれくらい収益が下がるの?
A. 契約条件や算定方式で変わりますが、年間で数万円〜十数万円規模の影響になることがあります。
重要なのは、手取りが減るだけでなく、査定側が将来CF(キャッシュフロー)から差し引くため売却価格にも影響しやすい点です。
Q3. 売却タイミングの目安は「10年目」「11〜13年目」「15年目以降」どれが有利?
A. 一般論では、将来CFが大きく残り、リスクが相対的に軽い10年目前後が高値評価されやすい傾向です。
ただし、発電量が強い・保守履歴が優秀・PCS状態が良好など条件が整えば、11〜13年目でも高く評価されるケースがあります。
Q4. まだ黒字なんだけど、持ち続けるのはダメ?
A. 黒字でも、11年目以降は「将来の突発コスト」が利益を削る可能性があります(PCS交換、ケーブル劣化、架台腐食、遠隔監視費増など)。
保有継続は悪ではありませんが、市場価値が下がる前に“今の査定”を把握しておくと判断精度が上がります。
Q5. パワコン(PCS)交換前に売る方が得?
A. ケースによります。交換前はリスクとして査定に織り込まれやすい一方、
交換後は「安心材料」として評価される場合もあります。
ただし交換には費用がかかるため、まずは交換前の査定と交換後想定を比較し、
費用対効果で判断するのが安全です。
Q6. 太陽光発電所の査定額って何で決まるの?
A. 主に未来収益(発電量×売電単価×残存年数)をベースに、
設備状態(PCS・パネル・架台)や保守履歴(O&M)、
遠隔監視データ、土地条件、系統制約、保険などを加味して決まります。
評価軸は会社で異なるため、複数比較が重要です。
Q7. 査定額が会社ごとに大きく違うのはなぜ?
A. リスクの見方が違うためです。たとえば、PCSリスクを重視する会社は低めになりやすく、
発電量実績やO&M履歴を重視する会社は高めになりやすいなど、
同じ発電所でも差が出ることがあります。
Q8. 一括査定ってしつこく電話が来たりしない?
A. サービスや依頼方法によって差があります。
不安な場合は、入力時に希望連絡時間や連絡手段の要望を明記し、
不要な会社は断るなど、主導権を持って進めると安心です。
Q9. 査定だけして、売らなくても大丈夫?
A. はい。査定は「市場価値を把握する」目的でも活用できます。
納得できない場合は売却しない選択も可能です。
Q10. 低圧(50kW未満)と高圧で売却難易度は違う?
A. 傾向として、規模・契約条件・土地権利関係で異なります。
ただし一概にどちらが有利とも言えません。
重要なのは、発電実績と保守履歴が整っているか、リスク要因が整理されているかです。
Q11. 土地付き(所有)と土地賃貸(借地)だと査定は変わる?
A. 変わります。借地の場合は契約期間・更新条件・地代・譲渡承諾などが評価に影響します。
土地所有は安心材料になりやすい一方、固定資産税等のコストも絡むため、総合評価になります。
Q12. 相続した太陽光発電所でも売却できる?
A. 多くの場合可能です。相続手続きや名義変更、必要書類が絡むため、
早めに「売却前提で整理」することでスムーズになります。
遺産分割の観点でも、現金化は整理しやすい選択肢です。
Q13. 法人名義でも売却できる?年度末に間に合わせたい
A. 法人名義でも対応可能なケースが多いです。
ただし、決算スケジュールや契約書類の整備が必要になるため、
余裕を持って査定・比較に着手するのが現実的です。
Q14. 売却益に税金はかかる?
A. かかる可能性があります。個人・法人、保有形態、減価償却の状況などで扱いが変わるため、
税務は税理士等の専門家に確認するのが安全です。
本記事では一般論までに留め、最終判断は必ず個別相談を推奨します。
Q15. 減価償却が残っていると売却に不利?
A. 不利とは限りませんが、会計上・税務上の影響が出る場合があります。
「売却価格」だけでなく「税引後手取り」で判断するのが重要です。
Q16. O&M(運用保守)の契約があると査定は上がる?
A. 良質なO&M履歴(点検記録・草刈り・故障対応履歴など)が整っていると、
買い手にとって安心材料となり、評価がプラスになりやすいです。
Q17. 遠隔監視データがないと不利?
A. データがある方が「発電実績の裏付け」になるため有利になりやすいです。
ない場合でも、月次の売電明細や点検記録など代替資料で補えることがあります。
Q18. 発電量が落ちている気がする。売却前にやるべきことは?
A. まず原因の切り分け(汚れ・影・故障・ケーブル・PCS)を行い、
点検報告書や対応履歴を残すと、査定時の説明がスムーズです。
無理に高額修繕をする前に、査定で「修繕前後の評価差」を確認するのが安全です。
Q19. 査定を有利にするために、最低限揃える資料は?
A. 代表的には以下です。
✔ FIT認定情報・売電単価
✔ 直近の売電実績(電力会社明細)
✔ 設備仕様(容量、PCS型番、設置年)
✔ 点検報告書・O&M履歴
✔ 故障・修理履歴(PCS交換など)
✔ 土地契約(所有/借地の条件)
Q20. 一括査定のメリットって結局なに?
A. 最大のメリットは比較データが交渉材料になることです。
単独査定は「その価格が妥当か分からない」状態になりやすく、
結果的に売り手が不利になりがちです。
【結論】11年目は“価値が分岐する”ので、比較してから決めるのが最適解
11年目以降は、収益が減りやすくリスクが増えやすい。
だからこそ「今の価値」を把握して、最適なタイミングを逃さないのが重要です。
✔ 廃棄費積立で手取り減少
✔ PCS交換リスク上昇
✔ FIT残存年数の減少
✔ 比較なし=交渉力ゼロ


コメント