売却相場・早見表
更新日:2026-09-29
記事内の相場の目安や計算例は、一般的な考え方を示した編集部の試算です。実際の売却価格は、発電所の条件や市場の状況によって大きく変わります。
売却に伴う税金や手続きは、税理士や行政書士などの専門家にご確認ください。
この記事の結論
太陽光発電所の売却相場は、「年間の売電収入 × 残り年数に応じた倍率」でおおよそ決まります。売電単価が高い古い発電所ほど高く売れるとは限らず、残り年数との組み合わせで評価されます。
- 残り年数が長いほど倍率が大きく、1年たつごとに相場は下がっていく。残り14〜15年なら売電収入の約7〜9年分、残り10年前後なら約5〜6.5年分が目安
- 同じ条件でも、出力制御のルールとエリア、土地が自己所有か借地か、パワコンの状態、書類のそろい具合で、倍率が上下する
- 自分で出した目安は「高すぎる・安すぎる査定」を見分ける物差しになる。実際の価格は、複数社の査定額を並べて確かめるのが確実
いちばん大事なのは、「いつか売るかも」と思っているなら、残り年数が長いうちに一度、今の価値を確かめておくことです。相場は毎年確実に下がっていくからです。
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※対象は、ご本人が所有する稼働済み(売電中)の太陽光発電所です。査定の前に「相場の早見表」で目安を出しておくと、査定額を比べやすくなります。
30秒でわかる、あなたの発電所の相場の目安
手元の売電明細と、事業計画認定の通知書を用意してください。
12か月分の売電明細の金額を足します。出力制御で減った月も、そのまま含めてかまいません。
多くの土地付き発電所は、売電を始めた月から20年間です。「20年 −(今年 − 売電開始の年)」でおおよその残り年数が出ます。
「残り年数別の相場早見表」の倍率を、STEP1の金額にかけると、相場のおおよその幅がわかります。
このページで分かること
- 太陽光発電所の中古市場の今と、相場が決まる仕組み
- 残り年数別の相場早見表と、売電単価別の計算例
- FIT認定年度ごとの売電単価と、残り年数・廃棄費用の積立
- 査定額を下げる要因(出力制御のルール、土地、設備など)
- 仲介と買取で、手取りと期間がどう変わるか
- 査定額を上げるために、売る前にできること
目次
太陽光発電所の中古市場の今
FITの売電単価が大きく下がり、高い単価の新しい発電所はほとんど作られなくなりました。そのため、過去の高い単価で売電できる中古の発電所が、投資家の間で取引されています。
FIT制度が始まった2012年度、事業用の太陽光発電の売電単価は1kWhあたり40円でした。その後、単価は毎年下がり、今では10円前後です。高い単価の権利は新しく手に入らないため、36円や32円といった単価で売電している中古の発電所には、一定の需要があります。
売買されるのは、全体のごく一部
大手の物件サイトは、全国に約40万件ある発電所のうち、中古として売買されるのは年間約3,000件程度、全体の1%ほどだと紹介しています。流通量が少ないため、条件の良い発電所は早く売れる一方、決まった「定価」がなく、会社によって査定額に差が出やすい市場です。
買い手は「利回り」で比べている
中古の発電所を買うのは、主に個人投資家や小規模な法人です。物件サイトでは、価格と並んで「表面利回り(年間の売電収入 ÷ 価格)」が大きく表示され、中古の低圧物件では10%台前半から後半が多く見られます。買い手はこの利回りを見て、ほかの物件や投資先と比べています。
「10kWあたり100万〜200万円」という相場の言い方もある
売買仲介会社の中には、低圧の発電所の相場を「10kWあたり約100万〜200万円」と紹介しているところもあります。ただ、同じ出力でも売電単価と残り年数で収入は大きく違うため、この幅はとても広くなります。自分の発電所に当てはめるなら、次に紹介する「売電収入 × 倍率」で考えるほうが、ずっと実態に近い目安になります。
売却相場が決まる仕組み
買い手は、「残りの売電期間でどれだけ手元に残るか」と「そのためにいくら払うか」を比べて価格を決めます。これを売り手の側から見ると、「年間売電収入の何年分で売れるか」という倍率になります。
買い手の頭の中にある計算
つまり、残り年数が長いほど①が大きくなり、払える金額(倍率)も大きくなります。逆に、年数が経つほど①が減り、10年目以降は廃棄費用の積立で②も増えるため、相場は毎年下がっていきます。売電単価の高さは①の大きさに効きますが、残り年数が短ければ、その分だけ価値は目減りします。
「買った値段」は相場に関係ない
オーナーが「2,000万円で買ったのだから、せめて1,500万円では売りたい」と考えても、買い手は残りの期間の収入しか見ません。買った値段と比べるのではなく、「これまでの売電収入 + 売却価格」が購入価格を上回っているかで、投資全体の成否を考えるのが現実的です。
残り年数別の相場早見表
直近1年の売電収入に、残り年数に応じた倍率をかけると、相場のおおよその幅がわかります。
| 売電期間の残り | 倍率の目安(売電収入の何年分か) | 表面利回りにすると | 年間売電収入200万円なら |
|---|---|---|---|
| 14〜15年 | 約7〜9倍 | 約11〜14% | 約1,400万〜1,800万円 |
| 11〜13年 | 約6〜8倍 | 約12.5〜17% | 約1,200万〜1,600万円 |
| 8〜10年 | 約4.5〜6.5倍 | 約15〜22% | 約900万〜1,300万円 |
| 5〜7年 | 約3〜4.5倍 | 約22〜33% | 約600万〜900万円 |
| 4年以下 | 約3倍未満 | — | 土地と設備の価値しだい |
※表は横にスクロールできます。売出物件の表面利回りや売買事例、維持費と廃棄費用の積立を踏まえた編集部の試算による目安で、実際の売却価格を保証するものではありません。自己所有の土地で、発電実績が安定している低圧の発電所を想定しています。
幅の上のほうになりやすい発電所
土地が自己所有、発電実績がシミュレーションどおり、出力制御が少ないエリアやルール、パワコン交換済み、保守の記録と保険がそろっている。
幅の下のほう、または下回りやすい発電所
借地で契約期間が短い、出力制御が多い、パワコンの交換時期が近い、発電実績が想定より低い、書類がそろっていない、災害や盗難のリスクが高い地域にある。
売電単価別の計算例(36円・24円・18円)
売電単価が2倍違っても、相場の差は2倍にはなりません。単価の高い発電所ほど早く売電を始めていて、残り年数が短いからです。
同じ規模の低圧の発電所(年間の売電量 約6.7万kWh)を、2026年に売却する場合で比べました。
| 項目 | A:36円 | B:24円 | C:18円 |
|---|---|---|---|
| 認定年度・売電開始 | 2013年度認定・2015年開始 | 2016年度認定・2018年開始 | 2018年度認定・2020年開始 |
| 年間の売電収入 | 約240万円 | 約160万円 | 約120万円 |
| 売電期間の残り | 約9年 | 約12年 | 約14年 |
| 倍率の目安 | 約4.5〜6.5倍 | 約6〜8倍 | 約7〜9倍 |
| 相場の目安 | 約1,080万〜1,560万円 | 約960万〜1,280万円 | 約840万〜1,080万円 |
※表は横にスクロールできます。編集部の試算例です。認定年度から売電開始までの期間は発電所によって異なり、残り年数は受給契約で確認できます。
36円の発電所は「残り年数」との勝負
売電収入はCの2倍ですが、相場の差は1.3〜1.4倍ほどに縮まります。しかも、残り年数が1年減るごとに倍率が下がり、10年目以降は廃棄費用の積立も始まります。高い単価の発電所ほど、「まだ高く売れるうちに」を意識しておきたい理由です。
18円・14円の発電所は「残り年数の長さ」が武器
売電単価は低くても、残り年数が長く、買い手にとっては収益の見通しが立てやすい物件です。積立が始まる前で、パワコンもまだ新しい時期は、買い手が見つかりやすいタイミングと言えます。
認定年度ごとの売電単価と廃棄費用の積立
2022年7月から、10kW以上の発電所は撤去・廃棄の費用を積み立てることになりました。原則として、売電期間が終わる前の10年間、売電収入から差し引かれます。積み立てる額は、認定を受けた年度で決まっています。
| 認定年度 | 売電単価(10kW以上) | 積立の基準額(1kWhあたり) |
|---|---|---|
| 2012年度 | 40円 | 1.62円 |
| 2013年度 | 36円 | 1.40円 |
| 2014年度 | 32円 | 1.28円 |
| 2015年度 | 29円/27円 | 1.25円/1.09円 |
| 2016年度 | 24円 | 0.99円 |
| 2017年度 | 21円 | 0.99円 |
| 2018年度 | 18円 | 0.80円 |
| 2019年度 | 14円 | 0.66円 |
※表は横にスクロールできます。資源エネルギー庁の廃棄等費用積立制度の資料にもとづく主な区分です(税抜)。2015年度は期間によって単価が2つあります。2020年度以降は出力の区分によって異なるため、ご自身の認定内容で確認してください。
積立が相場に与える影響の例
36円の発電所で、年間の売電量が約6.7万kWhなら、積立は年間約9.4万円(6.7万kWh × 1.40円)です。10年間で約94万円が売電収入から差し引かれます。買い手はこの分を差し引いて計算するので、積立が始まっているかどうか、残り何年分あるかは、査定額に直接響きます。なお、積み立てたお金は将来の撤去・廃棄のときに使われるもので、売却すると発電所とあわせて買い手に引き継がれるのが一般的です。
査定額を下げる6つの要因
早見表の倍率を下げる代表的な要因です。どれも「これから先の収入が不確か」「追加の出費がありそう」と買い手が感じるポイントです。
土地を借りている場合、賃貸借の契約が売電期間の終わりと撤去の期間までカバーしているか、買い手に引き継げるか、地代はいくらかが見られます。期間が足りない、引き継ぎに地主の承諾が必要といった場合は、倍率が下がりやすくなります。
パワーコンディショナの寿命は一般に10〜15年と言われ、交換には規模によって数十万円から100万円以上かかることがあります。交換が近ければ、その費用を差し引いて査定されます。
パネルの汚れや破損、雑草や周りの木の影、機器の不具合などで発電量が落ちていると、将来の収入も低く見積もられます。原因が直せるものなら、直してから売るほうが得になることがあります。
浸水や土砂災害のおそれがある区域、近年被害が相次いでいる銅線ケーブルの盗難が多い地域は、保険料や対策の費用がかさむため、評価が下がることがあります。保険に入っていない場合も同様です。
事業計画認定の書類や受給契約書が見つからない、土地の境界がはっきりしない、農地の転用の手続きに不安があるといった場合、買い手は手続きのリスクを見込むため、査定額が下がったり、売却に時間がかかったりします。
仲介と買取で変わる手取り
同じ発電所でも、売り方によって売れる価格と手元に残る金額、売れるまでの期間が変わります。査定額を比べるときは、どちらの売り方なのかも必ず確認しましょう。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 仕組み | 会社が買い手の投資家を探す | 会社が自ら買い取る |
| 価格 | 相場に近い価格で売れる可能性がある | 会社の利益の分、低めになりやすい |
| 手数料 | 仲介手数料がかかる | 仲介手数料はかからないことが多い |
| 期間 | 買い手が見つかるまで時間がかかることがある | 早く現金化しやすい |
| 向いている人 | 時間に余裕があり、少しでも高く売りたい | 資金が急ぎで必要、手間を減らしたい |
※表は横にスクロールできます。手数料の額や条件は会社によって異なります。
手取りで比べるための計算式
査定額が100万円高くても、手数料や手続きの費用の負担が大きければ、手取りは逆転することがあります。名義変更や、2024年の法改正で必要になった周辺への事前周知の手続きを誰が行い、費用をどちらが負担するかも、会社によって違います。
査定額を上げるために売る前にできること
買い手の不安を1つずつ取り除くほど、倍率は上がります。お金をかけずにできることから順に並べました。
発電実績は、買い手がもっとも重視する資料です。月ごとの売電量と金額が途切れずにそろっていると、収入の見通しを立てやすくなります。
どのルールが適用されているか、これまで何日・何時間制御されたかを整理しておくと、根拠のない値下げを防げます。
点検の報告書、修理の履歴、保険証券がそろっていると、「きちんと管理されてきた発電所」と評価されます。
現地を見に来る買い手や査定会社の印象は、草の伸び具合でも変わります。パネルの割れや架台のさびなど、指摘されそうな点は先に把握しておきましょう。
交換から年数が浅いパワコンは、買い手にとって大きな安心材料です。交換日と費用がわかる書類を用意しておきましょう。
契約期間、地代、買い手への引き継ぎの可否を確認し、必要なら地主に事前に相談しておくと、商談が止まりにくくなります。
決まった定価がない市場なので、会社によって査定額に差が出ます。得意なエリアや買い手を持っている会社に当たれば、同じ発電所でも高く評価されることがあります。
「高く売れる時期」を待ちすぎない
株や不動産と違い、FITの発電所は残り年数が確実に減っていくため、待っていても相場が上がる見込みは基本的にありません。出力制御の拡大など、相場を下げる材料も増えています。売るかどうか迷っているなら、「売る・売らない」を決める前に、まず今の査定額を知っておくことが、損をしないための第一歩です。
査定の申し込み方や、売却までの流れを知りたい方へ
相場を調べる前のチェックリスト
- 直近1年(できれば2年)の売電収入を合計した
- 売電開始の年から、売電期間の残り年数を確かめた
- 早見表の倍率で、相場の目安の幅を出した
- 出力制御のルールと、これまでの制御の実績を確認した
- 土地が自己所有か借地か、借地なら契約期間を確認した
- パワコンの設置時期と交換の予定を確認した
- 複数社の査定額を、手取りで比べるつもりでいる
よくある質問
本記事は、資源エネルギー庁の固定価格買取制度と廃棄等費用積立制度の資料、電力会社の出力制御ルールの案内、太陽光発電所の売買仲介会社・物件サイトの公開情報と売出物件のデータをもとに、編集部が2026年9月29日時点の情報で作成しています。相場の早見表と計算例は、一般的な考え方を示した編集部の試算で、実際の売却価格を保証するものではありません。当サイトは株式会社エナジーリンクス(メガ発一括査定)と広告提携していますが、相場を下げる要因や売り方ごとの注意点も含めて中立の立場で解説しています。税金や手続きについては、税理士・行政書士などの専門家にご確認ください。
まとめ:相場は「売電収入 × 倍率」。目安を持って、実際の査定額で確かめる
太陽光発電所の売却相場は、年間の売電収入に、売電期間の残り年数に応じた倍率をかけると、おおよその目安が出せます。残りが長いほど倍率は大きく、年数が経つほど、そして10年目以降は廃棄費用の積立も加わって、相場は確実に下がっていきます。
同じ条件でも、出力制御のルールとエリア、土地、パワコンの状態、書類のそろい具合で倍率は上下します。売電明細や保守の記録をそろえ、借地や出力制御の情報を整理しておけば、買い手の不安を減らして、高い評価につなげられます。
決まった定価がない市場だからこそ、自分で出した目安を物差しにして、複数社の査定額を手取りで比べることが大切です。売るかどうかを決める前に、まずは今の価値を確かめてみてください。
※記事内の相場の目安・計算例は編集部の試算で、実際の売却価格を保証するものではありません。制度や市場の状況は変わる場合があります。税金・名義変更などの手続きについては、専門家にご確認ください。

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