※2026年10月時点の公開情報にもとづく内容です。法律の説明は一般的な考え方のため、自社の契約や手続きは専門家や許可行政庁にご確認ください。

仕事はある。でも、来てくれる職人がいない

一人親方・職人・協力会社が集まらない建設業の原因と対策
改正建設業法の支払いルールと、選ばれる元請になる10の方法

受注は取れたのに、現場に入ってくれる職人が見つからない。長く付き合ってきた一人親方が、別の元請の仕事を優先するようになった。人手不足の建設業では、元請が職人を選ぶ時代から、職人が元請を選ぶ時代に変わっています。この記事では、職人や協力会社が元請を選ぶ基準を整理し、2025年12月に全面施行された改正建設業法も踏まえて、選ばれる元請になるための10の対策をまとめました。

建設業のここ数年の大きな変化

2024年4月
時間外労働の上限規制が建設業にも
2024年11月
フリーランス法の施行
2025年12月
改正建設業法が全面施行

※国土交通省・厚生労働省などの公開情報をもとに編集部が整理しました。

この記事の結論

職人や協力会社が元請を選ぶ決め手は、「単価」「段取り」「支払いの早さ」「仕事の見通し」の4つです。なかでも支払いの早さは、単価を上げなくても変えられる差です。材料費や手間賃の立て替えで生まれる「お金のすき間」を埋められる元請に、職人は集まります。

  • 法律の流れ:改正建設業法で、著しく低い労務費や短すぎる工期での契約が禁止に。支払いの遅さや手形への目も厳しくなっている
  • 離れていく原因:支払いが遅い、段取りが悪く待ち時間が多い、単価の根拠が見えない、仕事量に波がある、書類が面倒
  • 効く対策:労務費を明示した見積もり、段取りの改善、締め日と支払日の見直し、出来高の前払い、仕事の見通しの共有

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30秒診断:職人に選ばれている元請?

当てはまるものを数えてください。

  • 手間賃や外注費の支払いは「月末締め翌月末払い」かそれより遅い
  • 見積もりや契約で、労務費の内訳を示していない
  • 前の工程の遅れで、職人を現場で待たせることがよくある
  • 翌月以降の仕事の予定を、職人に伝えていない
  • 「急ぎでお金が必要」と前払いを頼まれ、個別に対応したことがある

3つ以上 → 職人が他の元請を優先する理由がそろっている状態です。10の対策から取り組んでください
2つ以下 → 強みを伸ばす段階です。支払いの早さで、さらに差をつけましょう

建設業の人手をめぐる変化と、改正建設業法

職人の高齢化と若手の不足が続くなか、ここ数年で建設業のルールは大きく変わりました。どれも「担い手を守り、確保する」方向の変化です。

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時期 できごと 元請への影響
2024年4月 建設業にも時間外労働の上限規制が適用 自社の社員だけで工期を回しにくくなり、一人親方や協力会社に頼る場面が増える
2024年11月 フリーランス法の施行 従業員を使わない一人親方への発注でも、取引条件の明示や支払期日のルールが求められる場面がある
2025年12月 改正建設業法の全面施行 「労務費の基準(標準労務費)」の導入、著しく低い労務費での見積もり・契約の禁止、原価割れ契約や著しく短い工期での契約の禁止など

※国土交通省の公開情報(建設業法・入契法の改正)などをもとに、編集部が要約しました。対象となる取引や具体的な対応は、専門家や許可行政庁にご確認ください。

「安く・早く・後払い」の元請からは、人が離れていく

改正建設業法は、技能者の処遇を良くして担い手を確保するための改正です。労務費を削って安く受け、無理な工期で回し、支払いは後回し。そんなやり方は、法律の面でも、職人に選ばれるという面でも、続けにくくなっています。これからは「正しく払い、早く払う」元請が、職人と協力会社を集める時代です。

知っておきたい下請代金の支払いルール

建設工事の下請代金には、建設業法の支払いルールがあります。一人親方などのフリーランスへの発注では、フリーランス法も関わります。

ルール 中身(一般的な整理)
建設業法 第24条の3 元請負人が注文者から出来形部分や完成の支払いを受けたときは、その支払いの対象になった工事をした下請負人に、受け取った日から1か月以内のできる限り短い期間内に下請代金を支払う
建設業法 第24条の6 特定建設業者が元請となる場合、下請負人(一定の規模以下)からの引渡しの申し出の日から50日以内のできる限り短い期間内に支払う
フリーランス法 従業員を使わない個人などへの業務委託では、取引条件を書面などで明示し、給付を受け取った日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を決めて支払う

※建設業法・フリーランス法の規定を、編集部がわかりやすく要約したものです。建設工事の下請取引には、取適法(改正下請法)ではなく建設業法のルールが適用されます。自社の取引にどのルールが当てはまるかは、専門家にご確認ください。

職人・協力会社は、元請のどこを見ている?

腕のいい職人ほど、声をかけてくる元請は複数あります。同じ日に2つの現場から呼ばれたら、どちらを選ぶか。その基準を整理しました。

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見ているところ 選ばれる元請 避けられる元請
単価 労務費の根拠を示し、相場に見合う 根拠なく値切る、追加の手間を払わない
段取り 材料・前工程が整っていて、着いたらすぐ作業できる 前工程の遅れで待たされる、手戻りが多い
支払いの早さ 締め日・支払日が早く、急ぎのときに相談できる 翌月末や翌々月払い、手形、支払いの遅れ
仕事の見通し 翌月以降の予定を早めに共有し、仕事が途切れにくい 急に呼んで急に切る
現場の雰囲気 職長や監督が話しやすく、安全に気を配る 怒鳴る、責任を押しつける

※編集部が一般的な傾向を整理したものです。

職人が離れていく5つの原因

① 支払いが遅い
材料費や道具代、ガソリン代を先に払っているのに、手間賃が入るのは翌月末以降。支払いの早い元請があれば、そちらの仕事を先に受けるようになります。
② 段取りが悪く、待ち時間が多い
一人親方は、待っている時間も収入になりません。段取りの悪い現場は、単価が同じでも実質的には安い仕事です。
③ 単価の根拠が見えない
「いつもこの金額で」と根拠のない単価が続くと、不満がたまります。2025年12月からは、労務費の基準を踏まえた見積もりの考え方も広がっています。
④ 仕事量に波がある
忙しい時期だけ呼ばれ、暇になると声がかからない。生活が安定しない元請より、年間を通して仕事をくれる元請が選ばれます。
⑤ 書類や手続きが面倒
安全書類や請求書の書式がばらばらで、手間がかかる。若い職人ほど、紙の手続きの多さを嫌がります。

材料費・手間賃の立て替えで生まれる「お金のすき間」

一人親方は、材料費・道具代・ガソリン代を先に払い、手間賃はあとから受け取る働き方です。月末締め翌月末払いの元請の現場に、月初から入った場合を見てみましょう。

日にち 一人親方のお金の動き
1日目 現場に入る。ガソリン代・高速代・駐車場代の支払いが始まる
1〜30日目 材料の一部や消耗品を立て替え。道具の修理や買い替えも自分持ち
30日目 締め日。請求書を出すが、まだ手間賃は入っていない
31〜59日目 次の現場でも立て替えが続く。車両費や保険料の引き落とし
60日目ごろ ようやく1か月目の手間賃が入金(手形なら、現金化はさらに先)

※1か月を30日とした編集部の試算例です。材料の支給の有無や工種によって、立て替えるお金は変わります。

「すき間」が長い元請ほど、職人の後回しリストに入る

複数の元請と付き合う一人親方にとって、入金が遅い元請の仕事は、手持ちのお金を減らす仕事です。逆に、終わった分をすぐ受け取れる元請は、それだけで優先する理由になります。この「すき間」を埋める方法は、手間賃の前払いで解説します。

選ばれる元請になる10の対策

職人や協力会社との関係を、見積もり・現場・支払い・関係づくりの4つに分けて整理しました。

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分野 対策 ポイント
見積もり・契約 ① 労務費の内訳を示す 標準見積書や労務費の基準を参考に、根拠のある単価で発注する
見積もり・契約 ② 取引条件を書面にする 手間賃・支払期日・追加作業の扱い・前払いのルールを書いておく
見積もり・契約 ③ 無理な工期で受けない 短すぎる工期は職人の負担と事故のもと。改正法でも禁止されている
現場 ④ 段取りを整える 材料・前工程・搬入経路を前日までに確認し、待ち時間をなくす
現場 ⑤ 書類を簡単にする 安全書類や請求書の書式をそろえ、スマホで出せるようにする
支払い ⑥ 締め日と支払日を早める 月末締め翌月末を、月2回締めや翌月15日払いなどに見直す
支払い ⑦ 出来高の前払いを用意する 終わった分を、必要なときに受け取れるようにする
支払い ⑧ 手形をやめ、現金払いにする 受け取ってすぐ使えるお金で払う
関係づくり ⑨ 仕事の見通しを共有する 翌月・翌々月の予定を早めに伝え、仕事を途切れさせない
関係づくり ⑩ 職人の声を聞く場をつくる 安全大会や打ち合わせのあとに、要望を聞く時間をとる

※編集部が整理した一般的な対策です。

手間賃の前払いを、会社の負担なく用意する

10の対策のうち、単価を上げずに、すぐ変えられるのが支払いの早さです。とはいえ、自社で個別に前払いするのは、計算と振込の手間も、先に出ていく資金も重い。そこで使えるのが、業務委託費にも対応した前払いサービスです。

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比べるところ 自社で個別に前払い 前払いサービス(PAYMOの例)
会社の手間 出来高の確認・計算・振込を毎回 一人親方がスマホで申請し、会社は確認するだけ
会社の費用 振込手数料と担当者の時間 月額費用0円
前払いの資金 会社が先に払う 立替払い型ならPAYMO(バイオン)が立て替え(与信審査あり)
振込の早さ 担当者が振り込めるとき 即日振込
対象 対応できるが手作業 従業員の給与・業務委託費のどちらにも対応

※PAYMOの公式サイト(2026年10月時点)の掲載情報をもとに編集部が整理しました。

PAYMOの3つのプラン

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デポジット型 立替払い型 直接払い型
月額費用 0円 0円 0円
サービス利用料(1申請) 3% 〜10% 0〜3%
振込手数料(1申請) 500円 500円 500円
振込 即日 即日 即日
前払いの資金 PAYMO側の口座から振込 PAYMOが立て替え(与信審査あり) 会社がセブン銀行の口座に事前に用意
導入まで 最短3日 最短3日 約1か月程度
対象 給与・業務委託費 給与・業務委託費 給与・業務委託費

※2026年10月時点のPAYMOの公式サイトの掲載情報です。サービス利用料と振込手数料は申請した人が負担し、振込金額から差し引かれます。直接払い型の日数には、セブン銀行のリアルタイム振込の申し込み期間が含まれます。

建設業で使うなら、ここがポイント

前払いの対象は、日当や工程の完了など「終わって金額が確定した分」にします。会社は、確定した出来高を登録して承認するだけ。一人親方は、材料費の支払いが重なったときや急な出費のときに、必要な分だけ申請して即日で受け取れます。会社の月額費用は0円なので、まず数人の一人親方から試すこともできます。PAYMOの料金やプランの選び方は、PAYMO(ペイモ)の評判・料金でくわしくまとめています。

自社の一人親方・協力会社に使えるか、資料で確かめる

PAYMOの資料では、3つのプランの違い、登録と申請の流れ、管理画面の使い方を確認できます。資料請求のあとの説明で、日当や出来高の登録のしかた、法人の協力会社への対応、立替払い型の審査まで相談できます。企業の費用負担は0円です。

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一人親方と付き合ううえでの注意点

① 実態が「雇用」にならないようにする
働く時間や場所、仕事の進め方を細かく指示し、ほかの元請の仕事を受けられないようにしていると、一人親方としての契約でも、実態は労働者と見られることがあります。社会保険の負担を逃れるための「一人親方化」は、国も問題視しています。
② 契約と取引条件を書面にする
工事の内容、手間賃、支払期日、追加作業の扱い、前払いのルールを書面で残しておくと、トラブルを防げます。
③ 前払いは「確定した分」だけにする
まだ終わっていない工程の分を払うと、貸し付けのような扱いになりかねません。日当や工程の完了で金額が確定した分を対象にしましょう。
④ 通常の支払期日は守る
前払いの仕組みがあっても、建設業法やフリーランス法の支払期日は守る必要があります。

※一般的な注意点で、法的な助言ではありません。報酬の前払いを運用するときの注意点は、業務委託・フリーランスへの報酬前払いの方法でもまとめています。

今日からできるチェックリスト

  • 見積もりと発注で、労務費の根拠を示している
  • 手間賃・支払期日・前払いのルールを書面にした
  • 次の現場の段取り(材料・前工程)を、前日までに確認する流れがある
  • 締め日と支払日を見直し、手形をやめる計画を立てた
  • 終わった分を、必要なときに受け取れる仕組みを用意した
  • 翌月以降の仕事の予定を、職人や協力会社に共有している

よくある質問

Q. 一人親方や職人が集まらないのはなぜですか?
A. 職人の高齢化と若手の不足に加えて、2024年の時間外労働の上限規制で一人親方や協力会社への依頼が増え、取り合いになっているためです。そのなかで、単価・段取り・支払いの早さ・仕事の見通しで劣る元請は、後回しにされやすくなります。

Q. 改正建設業法で、何が変わりましたか?
A. 2025年12月に全面施行された改正建設業法では、労務費の基準(標準労務費)が導入され、著しく低い労務費での見積もりや契約、原価割れ契約、著しく短い工期での契約などが禁止されました。技能者の処遇を良くして、担い手を確保するための改正です。

Q. 下請代金はいつまでに払う必要がありますか?
A. 建設業法では、元請負人が注文者から支払いを受けたときは、受け取った日から1か月以内のできる限り短い期間内に下請代金を支払うことなどが定められています。特定建設業者が元請となる場合は、引渡しの申し出から50日以内のルールもあります。具体的な適用は専門家にご確認ください。

Q. 一人親方への支払いに、フリーランス法は関係しますか?
A. 従業員を使わずに一人で仕事を受ける一人親方への業務委託では、フリーランス法の取引条件の明示や支払期日のルールが関わる場合があります。自社の取引が対象になるかは、専門家にご確認ください。

Q. 一人親方に手間賃を前払いしてもいいですか?
A. 終わった仕事の手間賃を、支払期日より前に支払うこと自体は、当事者が合意すれば可能です。日当や工程の完了で金額が確定した分を対象にし、前払いの範囲や手数料を書面で決めておきましょう。

Q. 手間賃の前払いを、会社の負担なく用意する方法は?
A. 業務委託費の前払いに対応したサービスを使う方法があります。たとえばPAYMOは月額費用0円で、給与と業務委託費のどちらにも対応し、立替払い型なら会社が前払いの資金を用意する必要もありません。サービス利用料と振込手数料は、申請した人が負担する仕組みです。

Q. PAYMOの手数料はいくらですか?
A. 1申請あたりのサービス利用料は、デポジット型が3%、立替払い型が〜10%、直接払い型が0〜3%で、別に振込手数料500円がかかります。会社の月額費用は0円です。

Q. 法人の協力会社にも前払いできますか?
A. サービスや契約によって異なります。PAYMOは業務委託費の前払いに対応していますが、法人の協力会社への支払いに使えるかは、資料請求後の説明で確認してください。

この記事について
本記事は、国土交通省の公開情報(建設業法・入契法の改正)、建設業法・フリーランス法の規定、PAYMOの公式サイトなどをもとに、編集部が2026年10月22日時点の情報で作成しています。お金のすき間の試算・選ばれる元請の基準・対策は、編集部の整理と試算です。法律に関する説明は一般的な考え方で、法的な助言ではありません。

まとめ:「正しく払い、早く払う」元請に、職人は集まる

人手不足の建設業では、職人や協力会社が元請を選びます。その決め手は、単価・段取り・支払いの早さ・仕事の見通しです。2025年12月に全面施行された改正建設業法で、労務費を削る受注や無理な工期は続けにくくなり、「正しく払う」ことは前提になりました。

そのうえで差がつくのが、支払いの早さです。材料費や手間賃の立て替えで生まれる「お金のすき間」を、終わった分をすぐ受け取れる仕組みで埋められれば、単価を上げなくても選ばれる理由が一つ増えます。業務委託費に対応した前払いサービスなら、会社の費用0円で用意できます。

業務委託費にも対応/企業の費用負担0円

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